エイリアン
ちょくちょく家のドアをノックしてくれる殉教者のおばぁちゃん。
今までもセールスにしろ、何にしろ、門前の断り方は心得てあるんだけど、なぜかこのおばぁちゃんだけは断れずドアを開けて話を聞いてあげてました。
おばぁちゃんの為に。
最初はそう思っていました。
今日も。アヒル達を外に出し母屋に上がってくると、足腰が弱いのでお付きの方に寄り添って貰いながらドアをノックしてくれてました。立ちっぱなしの玄関先では申し訳ないので、家茶に誘ってしまいました。
僕が留守の時や、居眠っている時も何度か来てくれているそうです。
鎌倉で生まれ、神戸で育ち、暖かい所で普及活動を希望し、15年前から和歌山に。
なんでしょうね。
どうやら彼女のしゃべり口調や品のある方言は僕の心に少し空いた隙間や可動部に潤いを与えてくれるようです。
後で気付いたんですが、笑顔で対応していたつもりが、実は僕がおばぁちゃんの扉のノックを聞いて笑顔になっていたんですね(^O^)
波長ですかね。人と人の。