Tsujimotoブログ

この窓が好き。

寒い日々が続きます。

僕の住んでいる岩出市根来地区は岩出市の中でも標高が高く、谷間になるのでよく冷え込みます。先日2度目の寒波到来でした。
この日のレッスンは1月唯一の休みだったのですが、スタジオに用事があり陽の残るうちに出発しましたが、ちょうど降り始めた雪が積もりだし、自宅を出てすぐ、坂の中腹でハザードをたいてスタックする車やら、押している同乗者などが見受けられる中、帰れるかと不安を抱えながらも出発。
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一瞬でこうなりました。

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ほんまに和歌山ですか?笑

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根来寺前。

帰りは暗くなり案の定自宅まで300メートルというところで岩出署による通行止め。
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先頭車両から説明を聞きUターンしていますが、自宅がすぐそこ!と主張し、最徐行でということで通してもらいました。

さてさて、うちの家には一段低くなった薪ストーブの部屋があります。
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ここに多少建てつけは悪いのですが河川側に面した壁が一面窓になっています。
川の対岸は雑木林的になっていて古道があり、そして小高い山には大きな八重桜も何本もあります。
僕はこの窓から見る景色が好き。
今年も薪ストーブを焚きながら窓から雪を見ました。音のない景色が無情にも見えますが、
その建てつけの悪い窓枠は2度とない瞬間を切り取って見せてくれます。
冬は振り乱れる雪。
春は舞い踊る桜吹雪。
そしていのちを爆発させ息吹く新緑の緑。
蛍が飛び交う初夏。
夏は少し寝っ転がると蒼天の青空に風が運ぶ雲。夜は満天の星空。
秋はランダムに絵の具を垂らしたような紅葉。
それから落葉。
そして季節は巡る。
誰が見てようが見てまいが自然の摂理と営みは少しずつ変化しながら繰り返される。春になれば花は咲くし、冬になれば雪が降る。
けど同じではない。
こういう話も。
雪が降り、地に落ち浸透し、流れとなって何十年もかけて海に流れ込み、大海に交わり、海表で太陽に暖められ気化され蒸発し、上昇気流に乗り空高く登る。上空は気温が低いので冷やされ粒子が氷となりそれがかたまり雲となり、風に運ばれる。かたまりが重くなれば地上の重力の影響を受けて下りてくる。地熱で暖められ雨となるか、また地表の気温が低ければ雪になり深々と降り積もる。
そのサイクルを切り取る窓枠。
このサイクルに比べたら人の一生なんて本当に小さい。小さくそして短い。
良い景色を見に行くために足を伸ばさずとも、今見えている景色のなんと愛おしいことか。
この身近な愛おしいサイクル、景色、恩恵に気付くために、僕はどれだけの遠回りと自我を守るための甲冑をまとってきたんだろう。
あと何度、この景色に気づくだろう。
あと何度、この景色が見れるだろう。
人も紛れもなくその景色の一部で一部にしか過ぎない。
諸行無常。
この言葉の意味がわかりかけてきた。
でも、この言葉ですら人の及ぶところ。